#活用法

翻訳の精度を変える!シストランのカスタマイズ機能を解説

AI技術を取り入れた自動翻訳の進化により、翻訳文の流暢さは大きく改善されました。ただ、企業が特有の表現や専門用語をきちんと反映させたい場合、一般の自動翻訳ツールではまだ完全には対応できていません。このようなギャップを埋めるために、シストランは3つのカスタマイズ機能を提供しています。

01標準搭載のカスタマイズ機能

ユーザー辞書

この機能では、固有名詞だけでなく動詞やフレーズにも対応しています。さらに、分野別で辞書を作成して使い分けることも可能です。

例①:[原文] polivy for intravenous infusion → [訳文] ポリイビー点滴静注用

上記をユーザー辞書に登録してあれば、単数形と複数形、大文字と小文字の組み合わせなど、1つの辞書エントリで、様々な原文パターンに対応可能です。

ユーザー辞書に登録された名詞の例

例②:[原文] to chase off → [訳文] 追撃する

上記を登録すれば、1つの動詞エントリで、様々な時制の入力パターンに対応し、かつ原文の時制や文脈に応じて、訳文の動詞を適切に活用。

ユーザー辞書に登録された動詞の例

正規化辞書

特に日本語の漢字やカタカナの使用に関する表記ゆれを統一するのに役立ちます。翻訳作業の前後で文を整えることにより、訳文の一貫性を保ち、丁寧な文書を仕上げることができます。

例①:[日本語] お勧め → おすすめ

正規化辞書登録前
正規化辞書登録前
正規化辞書登録後
正規化辞書登録後

例②:[日本語] エンジニアリング → 技術系;追跡 → 把握

正規化辞書登録前
正規化辞書登録前
正規化辞書登録後
正規化辞書登録後

翻訳メモリの活用(Translation Memory; TM)

翻訳メモリに検証済みの対訳データ(文単位)を登録すると、原文と70%以上一致する場合、登録された訳文を適用し、異なる部分のみ翻訳することができます。これは、作業効率を上げ、文書の一貫性を保つのに非常に役立つ機能です。

例①:IR資料

翻訳メモリに保存されている対訳文
翻訳メモリに保存されている対訳文
数値が異なっても、同じ翻訳を適用できる
数値が異なっても、同じ翻訳を適用できる

例②:設置マニュアル

翻訳メモリに保存されている対訳文
翻訳メモリに保存されている対訳文
対象物が異なっても、同じ翻訳を適用できる
対象物が異なっても、同じ翻訳を適用できる

翻訳メモリは、翻訳品質の向上に欠かせない貴重な資産です。外部に翻訳を委託する際も、検証済みの対訳データを自社内のシステムに集約することをおすすめします。

02さらに高精度を追求するためには

もし、70%未満の一致であっても同じニュアンスを保持したい、さまざまな原文を同じ形式で翻訳したいという場合には、AI学習によるお客様専用エンジンで実現可能です。実際、多くのユーザー様は、専用エンジンとカスタマイズ機能を併用しています。蓄積された更新データを用いて年に一度、専用エンジンの再トレーニングを実施し、翻訳の最高精度を保ちながら、新たに必要な修正はカスタマイズ機能を活用して、重複作業を避けます。この方法で、翻訳の精度を向上させてみてはいかがでしょうか?